もっとゆるやかにいきないと死んでしまう
メジロが僕の顔を見つめていた、気がした。
「メジロです」
メジロはどういう風にしゃべるのだろう。そもそもメジロってなんだっけ? 僕はメジロにあったことないからわからない。漁師の子供じゃない。
ああ、すっかりすっきりした。不安がなくなっていく。何を悩んでいたのだろうか、僕は何をあんなに悩んでいたんだっけ。をかしいな、何であんなに嫌いで嫌だったんだっけ。なんでだっけ。
ああそうだ、メジロがどうやってしゃべるかだった。どうすれば喋るんだっけ。挨拶と、礼くらいなら言えるかな。
「ねえ、メジロ」
「おはようございます」
…こんな感じ。
うまいこと思い浮かばなくなった、おかしいな。何で何で。メジロ、なんか喋ってよ。
「えっ」
メジロ、好きなものある。
「…」
メジロ、最近は待っているものある。
「…」
メジロは喋れない。これが世の常。わかりきってたことなんだからいちいち確認しなくてもいいんだけど、忘れてい傷んだ。今の今まで。
最初からあきらめていればよかったのに、どうしてそうなってしまうんだ? 僕は、僕はしっくりこない。何でもできるって綺羅っとした雰囲気を持っていたのに、おかしい。そう、はじめは僕じゃなかったんだ。僕じゃなくて、“私”だった。
ああ、誰でもうそをついている。頑張ってない間は、すべてが空虚だ。あいつみたいにならなくていいなんて、本当に誰がそんなことを言ったんだ?
ああ、かきむしった後のアンドが文章をまともにしていく。これからは僕のことを核都市用。僕のことを加工。